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ブランドが愛し愛されるための技術として。ソーシャルとリアルの境界を超えるPR


スマートフォンの普及、SNSの台頭、動画配信サービス、LINEなどのコミュニケーションツールの発展を通して、私たちを取り巻くコミュニケーション環境は大きく変化しました。

そんな新時代のコミュニケーションのあり方を考えるべく、この度、弊社では「Social談」として二日間に渡る大規模なオンラインイベントを開催。さまざまな分野で活躍される有識者やクリエイターお呼びして談義する機会を設けました。

オープニングトークを含めて開催したのは全8セッション。それらの開催レポートを、スペシャルコンテンツとして順次配信して参ります。

さて、今回お届けするセッションは「ソーシャルとリアルの境界を超えるPR」。昨今のPRにおいて、ソーシャル上での人々の動きも含めた立体的なコミュニケーションプランが求められています。リアルのコミュニケーションが制限される今、リアルとソーシャルをどのように使い分け、越境していけばいいのでしょうか? 第一線のPRパーソンと考えていきます。

【登壇者】


PRとは、合意形成のためのテクノロジー


三島:今回のセッションテーマはPRです。コロナ禍に突入した今、時代の変化に伴いPRパーソンに求められる姿も刻一刻と変化しているのではないかと思っています。そういった話を踏まえ、ソーシャルとリアルの境界を超えて立体的にコミュニケーションを取り合う術を、PRパーソンの方々と考えていきます。

まず、ざっくりした話題ですが「生活様式の変化にPRはどう対応するべきか」という話からトークを進めたいです。


:すごく良いテーマですね。僕が思うに、PRって「違う価値観を持っている人との合意形成のテクノロジー」なんです。子育てに女性だけではなく男性も参画するとか、​LGBTの人たちをはじめとする新しいパートナーシップの形とか、新しい概念を世の中に問うて合意形成していくようなイメージ。

今の世の中ってあらゆる場面で合意形成が必要だと思うんです。なんで今まで毎日通勤していたんだろうとか、おしゃれしていたんだろうとか、郵便物は玄関先で受け取るんだろうとか、コロナ禍で考え直すことになったエッセンスが非常に多いですよね。

他にもDXが進んで購買体験が変化したり、メタバースの発展などを考えると、人々の生活様式がまるごと変わるわけですし、コミュニティ形成の流れなども変わる。そういった変化に対してどうルールをつくるのかという点もPRが担っていますよね。


片山:PRが合意形成だという嶋さんの意見には賛同します。その上で、僕が思うPRとは深く「深く長く愛し愛されるための考え方と技術」なんです。コロナ禍では特に愛するという考え方があらゆる側面で重要視されるようになった。中でも社会の愛し方を問われていると感じています。

加えて合意形成の質もすごく重要な視点だと思うんですよね。どのように愛せるのかを企業や団体がしっかりと考え、そして行動していく必要があるのではと考えています。PRはそれを実現するための考え方と技術なのかなと。


根本:ちょっとだけPRの歴史的な背景に触れると、諸説あるんですが、近代的なPRはもともとアメリカで生まれたと言われています。

きっかけは鉄道会社の線路建設でした。新しい線路を引く際、近隣で暮らしている人に立ち退きをお願いすることがありますよね。でも住民の方々も生活があるのでなかなか賛同してもらえない。そこで第三者を介入させて、線路を引くことがそこで暮らしている人・地域・国にとってどれほど大切なのかを伝える活動を始めました。

フリーパスを用意して鉄道の乗車体験をしてもらったり、メディアに鉄道を引くことが有益である旨を綴った記事を掲載してもらったり。これこそ、これまでの話に出ていた合意形成というPRの役割ですよね。

PRというとメディアに取り上げてもらうことをイメージする人も多いかもしれませんが、新しい市場、概念なんかを作ってきた人たちが、その合意形成のために使う手段が元来のPRでした。コロナ禍においてもニューノーマルやニューイシューが生まれていますよね。それらの合意形成を行うのがPRに求められているのかなと思うんです。


:今の話はすごく面白いし今こそ忘れてはならない感覚です。たとえば、シェアエコノミーの考え方が日本に入ってきて、民泊ビジネスが広まったとき。日本では、「ホテルが」「旅館が」と物議を醸したわけです。

でも、合意形成しようと考えると「民泊があれば地域の活性化にもつながるんです」と伝えることができる。

根本:Uberでも同じようなことが言えますよね。


:過疎地域において、地域の人同士が高齢者の生活を助け合えるとかね。本質はそうやって理解してもらうこと。つまりは合意形成こそがPRの本質なんです。ところが、今の時代はテクノロジーのすごさなんかを届けようとする広告人がとても多くなっているような気がします。PRの面白さってすごさを見せつけることではなく、別の考え方を持っている人たちが寄り添える接点を見つけることなのに。

今「エンパシー」って言葉が話題になっていますよね。ブレイディみかこさんの著作『他者の靴を履く』でも語られていることですが、エンパシーは文化・言語・国籍などの壁に縛られず、他者との合意形成をする力のことです。

新しいテクノロジーや考え方が世の中に登場すると、賛美の声を送る人もいれば、批判的な目線で物事を見る人もいる。あらゆる目線の人たちの中でエンパシーを発揮できる人が今の時代には必要とされているわけです。

第一、PRという言葉は「パブリック・リレーションズ(Public Relations)」の頭文字を取ったもので、そもそも「s」が付いている。この「s」が表すのは異なる考え方を持つ複数の他者を表していると言えます。

PRを考えるとき、すぐに消費者ばかりを目指して施策を打とうとする人がいますが、実際は消費者以外のステークホルダーとのリレーションも大切です。


根本:「三方良し」なんて言葉を使う機会がありますが、もう今は三方では足りないのかもしれません。言うならば「八方良し」のような。

さきほど広告とPRの対比の話が出ましたが、広告って洗練されていくとターゲティングとパーソナライズでどんどん効率化されていくんです。それはそれで大切なことなんですが、ターゲティングを洗練するだけでは届かない層があるんですよね。

そう考えると、PRのようにステークホルダーをつないでいく考え方がとても重要です。もともとのPRの考え方に立ち戻るというか。すごく難しいことなのですが、そういった観点を強く求められていると感じますね。


片山:今の根本さんと嶋さんの話に通じているのは、第三者性ですね。PRという合意形成の技術の要諦は、第三者をいかにして巻き込むのかだと思うんです。さきほど嶋さんがPRをパブリシティだと思っている人が多いと仰っていましたが、それは今までマスメディアを巻き込めばPRとしてもある程度機能する実情があったから。

今はマスメディアだけではなく、マルチステークホルダーの発想が必要な時代です。マスメディア以外の第三者をどう巻き込むのかという視点が重要になってきましたよね。


三島:ステークホルダーたちを置いてけぼりにしないことが大切なんですね。

:生活者がブランドと直接つながる時代なので、情報の交換、データの交換、お金の交換のすべてに今まで依存していたマスメディアが媒介できなくなる未来がくる。だからこそメディアばかりに頼らずマルチステークホルダーを巻き込むことが必要です。

さきほど片山くんが言ってくれていた「愛すること」の必要性もまさに同じ話につながります。エンパシーを獲得するためのスキルの一つなので。相手のことを考え抜いて好きになることで、理解を深め合うことができるんじゃないかなと思います。


根本:法人格といっても、その中にいる人間性を見せることも必要ではないでしょうか。心理学でも自己開示の重要性が説かれているように、まずは自分がどういう人で、あなたをどう思っているのかをきちんと伝えることが大切です。

また、誰に語ってもらうことも大事ですが、何を語ってもらうのかはそれ以上に重要。「Who」ではなく「What」の視点ですね。

ブランドから説きたいテーマを一つ挙げ、それに対して、ブランドとしての視点を表明して問いを投げかけていくようなイメージでしょうか。

合意形成はいくつかの議論をかさねて少しずつ承認されていくプロセスを辿るので、そういった問い(アジェンダ)のセッティング力も求められていると思います。


片山:社会全体を変えようみたいな壮大な意思表明が必要というよりは、価値表明をすること自体が重要ですよね。正しさの観点ではなく、企業やブランドとしてがどんな価値基準を持っているのかをしっかり発信することが大切な時代だなと思うんです。なにか議題があったときに、「私達のブランドはこう考えています。」という価値表明ができないブランドは生き残っていけないのではとすら感じています。


:以前、面白なと思った事例の一つに冷凍餃子の話があります。子育てに取り組むとあるお母さんが「ごはん作りの時間を少し短縮するために冷凍餃子を購入したら、旦那から手抜きだと言われた」とTwitterで書いたんです。そうしたら、それを見た味の素冷凍食品さんが公式アカウントから「そういうお母さんを応援する」と。


:これは「お母さんは手作りの料理を子どもに作るべきだ」という価値観からの脱却ですよね。それに対して味の素冷凍食品さんは「男女共同参画で仕事をして、子育てをしてっていう時代に変わっているので、冷凍食品を効果的に活用しようよ」とメッセージを発して企業としての意思表示をしました。社会に対する問いの設定もできたわけです。

冷凍餃子一つ取ってもPRの発想を持てば、みんなの気持ちや世の中の考え方を動かすこともできるわけです。思っているよりも身近で、小さな事例からもPRはできるんですよね。


根本:つまり、コモディティ商材でもチャンスがあるっていうことですよね。コモディティ化している商材には固定概念があるけれど、アジェンダのセッティング一つで問題提起ができる、と。

たとえば、歴史を振り返るとタバコの事例でアジェンダをうまくセッティングしたものがあります。当時、世の中では食後のデザートという文化が流行っていたそうですが、食後のデザートは太りやすいのではという懸念もあった。

そこで食後の一服を「太らないデザート」という文脈で打ち出したんです。タバコを吸うという行為自体はなんら変わらないですが、意味付けを変えることで見え方や価値が変わる。こういうのもPRを活用した例だと思っています。


片山:マーケットの中のポジションではなく、ソーシャルや社会の中のポジションをどう取っていくのかってことですよね。

根本:そうですね。企業ではよく競合に対しての競争優位みたいな会話がありますが、それよりも社会の中でどういったポジションを狙うのかを考えると視野が広がるかもしれません。〇〇社はメーカーの中でもジェンダーに意識を向けている、といった社会的イメージは生み出せるからです。

そして、その社会的なポジションはどういうブランドフィロソフィーを持つのかに左右されます。だからこのコロナ禍でブランドや企業の在り方を見つめる機会が生まれているのかなと思います。

表現リスクではない、感情リスクを把握できているか?


三島:コロナ禍を比較的ポジティブに捉えた上でのお話が多かったように感じていますが、ネガティブな側面での変化についても教えていただきたいです。それこそ合意形成が取れなかったときはどうなってしまうのだろう、とか。

:そういったこともたくさんあります。だからPRの仕事ってずっと終わらないんですよ。

片山:飽きない仕事ですよね。


:絶えずアンチと呼ばれる人は存在し続けるわけですからね。だから考え続けないといけないんです。しかも、さきほども触れたように、これからは生活者とブランドが常につながる時代になっていく。その中でどう折り合いを付けながら合意形成していくのがが求められます。

昔のマーケティングというと、市場の中での優位性を語るマーケティングが一般的でした。ところが今は企業やブランドが社会の中でどうあるべきかを語るマーケティングに変化しているわけです。例を挙げるなら「洗浄力が高いシャンプー」よりも「女性の髪型や生き方を自由にするシャンプー」を語る時代になった。

そして、そういった意思表明のほうが社会との合意形成もしやすいのではと思います。昔は「他人と違うところ」を見つけるマーケターに価値があったけれど、今は「他人と同じ価値観」を見つけるマーケターが求められているんじゃないかな。


三島:お二方はいかがですか?

片山:これだけ繋がりやすくなった時代の弊害は炎上でしょうか。炎上の種類が随分と変わってきたなと思うんです。昔は法令違反、社会規範違反なんかがその対象だったので、ある意味わかりやすかった。

ところが、今は一部のステークホルダーが期待している規範に背くことも炎上の対象になってしまったので、気にすることが増えているなと思います。実は炎上対策を考えると、ターゲット外の人がメインのステークホルダーになり得るという難しい構造だなと感じているんですよね。根本さん、いかがでしょう?


根本:炎上に関しては個人として思うことがたくさんありますが、結局は想像力と愛が大切なのではないかと考えています。世の中に放ったときに傷つく人がいないかどうか、良しと言ってもらえるものであるかと想像して、愛を注ぐことに尽きるんじゃないかと。

注意しないといけないのは、昨今起きているのは表現に対しての炎上ばかりではないということ。企業には表現に関するチェック機能が備わっていることが多いので、表現が社会的に引っかかることは少なくなってきたはずなんです。

たとえば、先日の品川駅の広告を取り下げた例があったと思いますが、あれってコピーだけを見えたら炎上するようなものではないと思うはずです。それがなぜ物議を醸したのか。朝、眠たい目をこすりながら嫌々ながらも出勤する頑張る大人に向けて、多くの露出面から大量に浴びせた言葉だったからだと思うんですよね。それって、表現リスクではなく「感情リスク」なんです。

世の中にこういったものを放ったときにステークホルダーがどういう感情になるのか。それを事前に想像する力が足りないことが炎上につながると思っています。100%理解するのは難しくても、99%理解できるよう想像して愛を注げるのか。それが求められているのかなと。


片山:その点が行き届いていなくて炎上している広告キャンペーンって結構ありますよね。優秀なPRパーソンがいたら防げたであろうにと少し悲しくなることも少なくありません。PRパーソンに必要なのは想像力と愛っていうお話が今ありましたが、優秀なPRパーソンほどやはり想像力と愛することに長けています。

「それって考えすぎでしょ」と言われるくらいまで考えて、誰もが気づかないところまで感性を研ぎ澄ませられるかどうかがPRパーソンの腕の見せどころ。ですから、これから議論を起こすようなキャンペーンを実施する企業には、必ず最初からPRパーソンを入れてほしいなと思っています。


:PRパーソンの仕事はコントロールができるものではないんですよね。広告であれば、どの枠に、どんなコピーで、こういうデザインでってすべてをコントロールできますが、PRはそうじゃない。メディア掲載を例に上げると、メディアも世界観や人格を持っているのでコントロールできないし、するべきでもないです。リスペクトして向き合うべき対象です。

コントロールはできないものだけれど、第三者を介して世の中と関係を築いたり発信を行うのがPRという仕事。ということは、受け手がどう感じるのかといった感度が高いのもPRパーソンなんです。

「この話はこんな風に受け取られるから、こういう記事を書いてくれるだろう」「こんな記者会見をしたら、こう解釈して報道されるだろう」など、想像力の領域において圧倒的に優れているのがPRパーソンですし、そうでなくてはいけない。


根本:PRはパブリシティのみと思われている話も先ほどありましたが、この話においてはパブリシティも重要ですよね。パブリシティがこれまで伝えてきた情報は声なき声でもあるわけで、そういうのを伝えるのもまたメディアの役割の一つ。

相手に対するリスペクトの気持ちを失わないためにもパブリシティで培ってきた筋力は活きると思いますし、これからもPRパーソンはその力を強めていかなければいけないのかなと感じています。

本来は見えないインサイトを見せてくれるSNSの強み


三島:ありがとうございます。ここまでパブリシティやマスに対しての投げかけの話が登場しましたが、SNSなどのソーシャルメディアとの向き合い方なども変化しているのでしょうか?

根本:基本的には変わっていないと思います。PRってアンコントローラブルな世界で、第三者を介して情報を伝えるのがメイン。ですから、第三者である「人」の集合体である、ソーシャルとの向き合い方も変化していないように感じますね。


片山:向き合い方としては、「世論」にまで発展していない「意見」にも耳を傾ける必要が出てきているなと感じています。以前までは世論になって初めて行動を起こせばよかったものですが、そうではなく「強い意見」の段階で意見を取り入れて場合によっては修正する必要がある。その対応力や向き合う力、プロアクティブな動きが求められていると思います。


三島:ソーシャルの存在によって誰しもが気軽に意見を言えるようになりましたからね。その意見に対してどれだけアンテナを張れるのかといった俊敏性は重要なのかもしれません。

片山:企業によってはリスクマニュアルのようなものが存在して、たとえば「読売新聞の社会部が取り上げる動きになったら対応しよう」みたいな決まりだったりするんです。ところが、もうそういった段階まできてしまうと遅いというか。

ソーシャルメディア上に意見として生まれているのなら、その声をモニタリングして向き合っていないといけない。そういった切実な声を挙げる人は、期待を込めて発信してくれているからです。そういう人たちのために対応することで、しっかりとファンを獲得する動きにもつながるんですよね。

だから、そういった声をうるさいものだと思うのか、自分たちを良くしてくれる新しい風だと思うのか。その判断だけでも企業の未来はまったく違うものになるのだと思います。


:ソーシャルメディアの存在はポジティブに考えたほうが良いと僕も思います。理由は二つあって、まず一つ目はソーシャルメディアがあることで小さな経済圏でもサービスやブランドを作ることができるから。ニッチだったりマイノリティなサービスが共存できる世界がソーシャルメディアの存在によって実現できているなと。

もう一つは、ソーシャルメディアの存在によって企業やブランドが良い方向へと上書きされていくから。今の時代、ブランドはガチガチの経典ではなくある程度の誤読と誤配を含めて書き進められていくものなんですよね。それを助ける存在はソーシャルメディアに他ならないわけです。

たとえば、ZoomはもともとWEB会議のためのテクノロジーとして開発されました。ところが、実際のところはリモート飲み会のツールとして使用されることもある。そういった用途は開発者の想像を超えたものですけれど、たしかにブランド価値は拡張されているわけで。ソーシャルにさらされることって、そういった新しい価値を見つけるためにも重要なんです。


根本:SNSは匿名性の高いツールなので、普通は氷山の下のほうにある見えない部分がインサイトですが、それが表面化されるという特徴があります。

それをヒントにブランドのアイデンティティや施策を見直す機会にできたら良いのだろうなとは思います。調査をすることなくインサイトという宝石が見つかるんですから。


片山:ソーシャル上のインサイトを見つめていると、ステークホルダーごとに物語があることに気づけると思うんです。すごく怒っているその背景なんかですね。

今って企業やブランドが自分たちを主語にしたナラティブを作っていく傾向にありますが、それってすごく傲慢なことかもなと思うんです。一人ひとりのステークホルダーが持っているナラティブが必ずあるので、その中にどうしたらサポーターとして入り込めるのか。そう考えるべきなのではないでしょうか。

自分たちを主語に置くのではなく、各ステークホルダーを主語にする。そして、どのようにブランド・企業として関わるのかを考える。マーケティングコミュニケーションとしてそういった考え方を持ってもらえると良いなと感じています。


根本:トーマス・コルスターさんの著書『The Hero Trap(ヒーロートラップ)』でも同じようなことが語られていました。

ヒーローはあくまでブランドではなく生活者なのだが、企業は自分たちがいかに良いことをしているのかを主張する合戦が世の中で起きていると。

ヒーローは生活者。その上で、ブランドとしてのアジェンダとその解を発信することが重要なんです。時代と阿吽の呼吸で届けていくことがソーシャル時代のブランドの戦い方なのではないかなと思いますね。


三島:ありがとうございます。最後に、このセッションを見ているPRパーソン、マーケター、広告業に携わる人々に向けたメッセージをいただけたらと思います。

根本:僕は新卒からPR業界にいる身として、PRのブラックボックスな面の多さを非常に反省しているんです。PRって属人的で、経験・勘・人脈に委ねられていると思われてしまっているなと。でも、やっぱり技術は世の中にどんどん共有するべきだと思うし、PRの視点や考え方を多くの人に活かしてほしい。

そう考えて、今年「PRX Studio Q(PRトランスフォーメーションスタジオ キュー)」として発信を始めました。

  PRX Studio Q その熱量を、世界を動かす力に変える。電通PRコンサルティングのプランニング専門部署から生まれたチーム「PRX Studio Q」の公式noteです。私たちが大事にしていることや、独自のメソッドなどについて発信します。公式HPはhttps://prx-studio-q.com/ PRX Studio Q

マーケティング、経営、採用など多くの視点にPRを取り入れてもらうことこそがPRパーソンの喜びですし、そのためには体系化を進めていく必要がある。PRをかけ合わせてよりよい社会を作るために頑張っていきます。


片山:PRパーソンってすごく世話焼きが多いんですよね。自分たちが持っている考え方や技術を人に伝えてもらいたいし、役立ててもらいたいという気持ちが強いので。今回の話に限らず、みなさんとこれからも対話を続けてPRの可能性を模索し、伝えていきたいと思っています。


:先ほども話題に出たように、今はコンテクストがとても大切な世の中です。「context」は「con(共に)-text(編む)」という言葉から生まれたもの。要するに、一人でコンテクストは作れないのです。相手のことを好きになって、手を取り合う行為はまさにコンテクストをステークホルダーと一緒に作るための行いなのだと思います。

そういう発想でブランドについて考えることで、新しい価値を創造したり、愛されるブランドへと成長できるのかなと思いました。

三島:ありがとうございました。僕自身もPRとマーケティングを切り分けて考えがちな面があるので是正しながら向き合っていかなければと学びながらお話を伺っていました。お三方、今回はご登壇いただきありがとうございました。

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